ワセリンとニベアで共通して言われていることといえば、
- ドラッグストアで簡単に手に入る
- 安いのに乾燥肌にいいらしい
ふーん、じゃ、どっちがいいの~。
皮膚科オススメのワセリン?
高級クリームと同じ成分という噂のニベア?
調べてみると、へーそういうことだったのかと思ったのでお知らせします。
ワセリンとニベアの違い
主要な違いは、この2つでしょう。
- ワセリンは成分が単純でニベアは多岐にわたる。
- ワセリンはベトベトだがニベアは滑らか。
では、個々にワセリン・ニベアの成分を見ていきます。
ワセリン
ワセリンは石油のみからできています。
石油というとガソリンとか灯油とか化学製品とか体に悪そうなものがイメージされちゃうかもしれませんが、ガソリンからワセリンをつくっているわけではありません。
石油自体は、何億年前の植物の死骸が蓄積してできた、自然、天然のものです。
石油を化学的に加工したものがガソリンなんかの石油製品。
石油から余計なものを取り除いたものがミネラルオイルがワセリン。
というわけで、ワセリンも当然、化学ものじゃない、自然由来もの。
さて、ワセリンのいいところは、この2つ。
- 水を徹底的に通さない、蒸発させない。
- 成分が安定している。
植物系って体にいい感じしますよね。
たしかに体にいいものもいっぱいあるんです。
が、中の成分が安定しない=酸化し易い、変質しやすい、カブレの原因になりやすいという面もあります。
酸化しにくいといわれているオリーブオイルでも半年くらいが限界。
でも、ワセリンの場合は、数年、酸化せず、管理も楽チン。
そういうところが評価されて皮膚科で乾燥を防ぐ=ワセリンなんですね。
それから、ワセリンには種類がありまして、純度の高い順に
- プロペト。。。医師の処方箋が必要。
- 白色ワセリン。。。薬局で買う。
- 黄色ワセリン(ヴァセリン)。。。ドラッグストアで買える。
ちょっとした乾燥肌くらい、医者に行かないレベルだったら黄色ワセリンで充分。
純度が高ければいいってもんでもないです。
ベタベタで扱いづらいだけです。
簡単に変質しないってことは、洗剤や石鹸では簡単に落ちないってことでもあります。
白色ワセリンがしっかり付いた服を洗濯機に入れると固まってモーターをダメにした例もあるくらいです。
ニベア
ニベアの成分は、いっぱいあって。。。
簡単にまとめるとこの4種類。
- 水分蒸発を防ぐ成分。。。ワセリンにプラス他のオイル。
- 水分を保つ(保湿)成分
- 水と油をくっつける(乳化)成分
- 安定させる成分
つまり、
ワセリンだけじゃベトベトすぎるから蓋の役割をする成分を増やして、ちょっと水分をキープできる成分も入れよう。
↓
いろいろ入れちゃったから、うまく混ざった状態になるものを入れないと分離しちゃう。
↓
それから、なめらかな肌触りにするものもプラス。
↓
変質しないように安定剤もいれないとね。
ニベアはこんな感じのものが入っています。
ワセリンより肌なじみよくなめらかなクリーム状にしてる反面、余計なものも入っているということですね。
ま、でも、普通の化粧品類よりはシンプルで安全ですけどね。
ワセリン・ニベア:乾燥肌に効果的なのは?
私の結論は、「乾燥肌・やや敏感気味ならワセリンで治す」ですね。
どうしてかというと、次の2つの理由から。
- ワセリンの方が水分を通さない力が強い。
- 余計なものが入っていない。
乾燥肌っていうのは普通以上に水分が蒸発してしまう状態でしょ。
だから水分を蒸発させない力が強い方がいい。
また、角質が正常でなく敏感になっている事が多いので余計な乳化剤や安定剤はできるだけ少ないほうがいいから。
さて、ワセリンもニベアも主要機能は、肌に今ある水分を逃さないということ。
水分や栄養を補給はしないんですよ。
なので、乾いた肌に塗っても効果は期待できませんよ。
肌にまず他のもので水分補給してから蓋をしないと、油っぽくなるだけです。
やりすぎれば、ニキビや毛穴詰まりになります。
特にワセリンは全く水要素がないので、洗った後、タオルなんかで拭かないで塗るくらいでいい。
化粧水をつけるならそれくらいぬらした状態でつけるイメージじゃないとただ、ただ、ベタベタ、伸びないし、扱いづらいです。
そういう点からするとニベアの方が断然扱いやすいですね。
ワセリンほどではないにしても水分を逃さない力はあるので乾燥肌に効きますよ。
おまけ:ニベアの効果?
ところで、ニベアが高級クリームと似た成分と話題になったことがありました。
でも、実際は、あまり美肌とは関係ない成分が同じだっただけ。
肌に膜をはる成分、クリーム状にする成分、安定させる成分ね。
これは、化粧品は少し内容が違ってもたいてい入っているものなんですよ。
言い換えると、高級クリームのアイデンティティたる美肌成分は入っていない。
ニベアで効果があったというのは、今まできちんと水分保持できていなかったけど、ニベアを塗ったらできたというだけのことなんです。
多分ニベアじゃなくても、ワセリンでも、他のクリームでもシンプルに水を与えて蓋をすれば同じ効果を感じたのでは。。。
まとめ
- ワセリンもニベアも今ある肌の水分を蒸発させない。
- ワセリンもニベアも水分や栄養を与えるわけではない。
- ワセリンは扱いづらいがシンプルな原料で水分を逃さない力も強い。
- ニベアはいろんなものが入っているが滑らかで扱いやすい。
ワセリンもニベアも、裏技的利用もたくさんあり、過度な役割を期待されているなあーと思いました。
それだけ、人気ものってことですね。